Xデーの足音/ がんの治療をやめたいだけなのに~妻の目線

手こずった 瀉血治療の後 2日目と3日目は 仕事の都合で 病院には行けなかった
夫からの 電話もない
熱があるって言ってたけど 大丈夫なのかな~
無理やり 血を押し出していたのが よくなかったのかな~
でも何かあれば 病院から電話があるだろうから 大丈夫 大丈夫。
あれこれ考えて 落ち着かない
3月末。
ちょうど 仕事を休めない時期だった
4日目
Xデー の前日
夜 仕事を終えて 家に帰ると 明かりがついている
電気 消し忘れたかな?
リビングに入ると 入院しているはずの 夫が 部屋の隅で 頭を抱えて 壁に ピッタリくっついている
顔色も 相当悪いし 表情も いつもと違う
「 おかえり 」と 言ってくれた声が 震えている
ただ事ではないと 血の気が引いた
本当に 血の気が引くって あるんだと 思えてる私もいた
「 看護師さんが ずっと 悪口を言いながらついてくる」
「 そこから○○さんが覗いている」 と言いながら 窓のカーテンを指す
「 先生が点滴に 注射器で毒薬を入れた」
私 「 看護師さんに言って 帰ってきたの⁈ 」
「言った。タクシーで帰ってきた。 4000円くらいかかった。高くてごめん 」
その辺は 普通だ
急いで病院に電話した
「夕食が終わった後 急に帰る 帰ると騒ぎ出した」と看護師さんは言う
「 先生から説明があるので 明日 午前中の診察が終わる頃に 病院に来てください」
まだ 壁にぴったりくっついて ガタガタ震えている
「自分の家なのに 看護師さんがおるわけないよね ?」・・・ うん
「ずっとついて回る そんな暇な看護師さん おらんよね?」・・・ うん
「先生が毒薬を入れたって ありえんよね?」・・・ うん
1つ 1つを確認していくと 案外 すんなり受け入れる
幻視や幻聴は その時に少しずつ消えていったようだ
手を触ってみたら 手の先はすごく冷たいのに 腕は熱い
熱を測ると 38.6度
もう寝た方がいいと言って 2階の寝室に行かそうとしたんだけど 2階は怖いから嫌だ。お風呂に 入りたい と言う
〈 熱はあるけど お風呂が優先だ 〉
お風呂に入っている間も 心配で お風呂の前でずっと待機していた
私までガタガタ震えてきた
何が起こったんだろう
よくは分からないけど 精神病になっていることは 私にも分かった
全く眠れず 朝になった
この頃 私は 自分の病気が再燃していて 4月になったら 入院治療することになっていた
手も足も 動きにくい
こころなしか この一晩で悪化した気がする
病院まで 運転できるかな?
仕事を休む連絡しなくちゃ! いや 休めるタイミングじゃないんだけど ・・・
あ~ もう~ どーしよ~~
ガーガー 大いびきで 8時間くらい寝ていた夫が起きてきた
これだけ 眠れたんだから 大丈夫かも……
「どうして ここに居るか覚えとる?」
「なんとなく……」
「今から 何をしたらいいと思う?」
「病院行くんだろ? 僕が運転するよ」
熱は下がっているし、顔つきも 普通になってる
良かった~~
運転も大丈夫そうだけど ここはやっぱり 私が運転する方がまだマシかも
それより このまま 入院を続けるの?
いや 私たちの希望がどうより 病院の方から 断られるかな~?
迷惑かけたんだから しょうがないのかな~